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第18回
   日本臨床細胞学会関東連合会
       学術集会CD-ROM                   

             会長:西田 正人
             会期:平成16年9月11日(土)
             会場:茨城県県民文化センター
                       茨城県水戸市千波町東久保697

 

巻 頭 言 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                  
                             独立行政法人国立病院機構 霞ヶ浦医療センター
                                       西田 正人

 去る9月11日、茨城県が主催して日本臨床細胞学会関東連合地方部会が茨城県民文化センターで催されました。関係各位のご努力とご協力により成功裏に終わったことに改めて感謝申し上げます。

 この大会のメインテーマを「失敗に学ぶ」とし、偽陽性を主題としたことはご存知の通りです。当初、どの程度演題が集まるか危惧していたのですが、どの支部からも恥を忍んで、きれい事でない演題を提出していただき、感謝に堪えません。

 学会のテーマを偽陽性とした点では半分成功でしたが、偽陰性に踏み込むことができなかったという点では不満の残る部分もありました。

 偽陽性というのは、がんではないのにがんと診断してしまうことですから、これはその後の臨床の場でいくらでも修正が利きます。一般的に細胞診でクラスⅤとついたからといってすぐに手術はしません。視触診で確認し、組織診をおこなって最終診断をします。従って、まだ許される範囲にあるわけです。しかし、偽陰性、つまりがんであるにもかかわらずがんと診断されずに、いや、疑われもしないで見逃されるということは、その後の修正が利かない点で罪はずっと重いでしょう。特に毎年検診を受けているような心ある受診者の、期待と信頼を一気に裏切る結果になるだけに許されるものではありません。

 その誤りは検体採取時と診断時の2点で起こる可能性があります。毎年受診している方が或る年にがんと診断されたため、その前年の検体を見直すと疑わしい細胞が既に採取されている場合などがこれに当たります。

 一方、採取器具によってがん発見率に有意差がある場合などはサンプリングに問題があることになります。偽陰性の存在は検診の根幹に関わる重大な重い命題です。このような問題を白昼堂々、学会で議論するためには発表者もそれを主催する側も覚悟が必要です。そして、私自身は今回はその決断がつきませんでした。

 婦人科のがん検診に関する限り、茨城県は後発県でした。しかし、その後の努力と特に集団検診の検体が総合健診協会に一括管理され、他に散逸しなかったことが幸いして、精密な予後や精度管理が可能となり、気付いてみたら全国でトップックラスの精度を誇る県になっていました。最早、本県は他から学んでばかりいる立場ではありません。今後更に本県のデータをエビデンスとして、全国に発信し、あらゆる面で十分なfeedbackをかけられる体制を整えて行かなければならないと考えています。

 

 

第18回日本臨床細胞学会関東連合会学術集会プログラム

会  期  平成16年9月11日(土)

開催場所  茨城県民文化センター

茨城県水戸市千波町東久保697

 

■       特別講演 10:00~12:00 第一会場

特別講演Ⅰ 10:00~11:00

座長 深澤政勝(筑波大学附属病院病理部)

「偽陽性例をどうとらえるか」

癌研究会附属病院 都竹正文

特別講演Ⅱ 11:00~12:00

座長 野口雅之(筑波大学基礎医学系病理)

「最近の医療訴訟の問題点」

加藤会計法律事務所 弁護士・医師 加藤済仁

 

■       シンポジウム 15:05~17:30 第一会場

(1演題20分,ディスカッション30分)

― 各科領域における偽陽性例の傾向について ―

座長 西田正人(独立行政法人霞ヶ浦医療センター)

齋藤誠(東京医科大学霞ヶ浦病院)     

土屋眞一(日本医科大学付属病院病理部)  

子宮頸部

「子宮頸がん集団検診に於けるFalse positive例の検討」

茨城県総合健診協会 加瀬香

子宮体部

「子宮内膜細胞診における偽陽性例の傾向」

北里大学産婦人科 今井愛

呼吸器

「喀痰細胞診検査における偽陽性例の傾向について」

東京医科大学外科学第一講座 大平達夫

乳腺

「乳腺細胞診における偽陽性例の傾向」

東海大学医学部基盤診療学系病理診断学 梅村しのぶ

体腔液

「腹水・胸水の偽陽性を少なくする試み」

公立藤岡総合病院病理 深町勲

■       ランチョンセミナー12:10~12:50 第一会場

 

座長 野口雅之(筑波大学基礎医学系病理)

「ScanScopeのご紹介」

株式会社オリンパスエンジニアリング 山田達喜

 

■       メーカーセミナー 13:00~15:00 第一会場(1演題30分)

 

座長 福島茂(茨城県立友部病院)

「今なぜThinLayer標本か ―婦人科細胞診検査の精度向上に向けて―」

(株)医学生物学研究所 内藤雅嗣

 

「パパニコロウ染色の精度管理/染色液や染色操作の染色へ与える影響」

メルク株式会社 渡辺明朗

 

「ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染とp16INK4αの関連について」

ダコ・サイトメーション株式会社 神原由紀

 

■       一般演題(示説) 13:00~15:00 第二会場(発表5分,質疑2分)

婦人科 13:00~13:40

 

座長 安田 允(東京慈恵会医科大学附属柏病院産婦人科)

 

1.細胞診で内膜癌が疑われたが手術標本で悪性が確認できなかった一例

山梨大学医学部附属病院病理部 弓納持勉

2.卵巣悪性腫瘍が疑われた反応性異型細胞

群馬県立がんセンター検査課 遠藤朋子

3.子宮頸部細胞診ClassⅢbが継続した子宮頸管炎の1例

筑波大学臨床医学系産婦人科 八木洋也

4.頸部,体部細胞診にて子宮体部腺癌と誤診された一例

独立行政法人国立病院機構 霞ヶ浦医療センター 吉川英一

5.子宮内膜細胞診の疑陽性3例についての細胞学的検討

茨城西南医療センター病院臨床検査部 福島美穂

 

乳腺 13:40~14:25

座長 伊藤仁(東海大学医学部付属病院病理)

 

6.特異な乳頭状集塊の出現から非浸潤性乳管癌を推定した乳癌の1例

昭和大学藤が丘病院 病院病理科 北村隆司

7.乳腺アポクリン癌疑いとした嚢胞形成を伴った乳腺症の一例

社会保険山梨病院 磯野 満

8.乳腺細胞診におけるダブル報告様式の有用性

最成病院検査科 梅原有子

9.一部に粘液細胞が認められた乳管内乳頭腫の1例 

-偽陽性例における細胞像の検討-

東海大学医学部付属病院 松井成明

10.当院における乳腺穿刺吸引細胞診の偽陽性例について

新潟県立がんセンター新潟病院病理部 栗原アツ子

11.画像上石灰沈着の存在から悪性を疑われた硬化性腺増生症の細胞像

水戸赤十字病院病理 三村貴裕

 

呼吸器・泌尿器・耳下腺 14:25~15:00

座長 堀内文男(千葉大学医学部附属病院病理部)

 

12.多数の異型Tリンパ球を認めた結核性胸膜炎の1例

独協医科大学病院病理部 堀越多美子

13.尿中細胞診で疑われた肺癌腎転移の1例

東京医科大学霞ヶ浦病院 齋藤誠

14.自然尿細胞診ClassⅢの検討

筑波メディカルセンター病院 臨床検査科 石黒 和也

15.慢性膀胱炎に出現した異型細胞の病理学的検討

JA長野厚生連佐久総合病院臨床病理部 磯貝訓子

16.耳下腺悪性腫瘍が疑われた石灰化上皮腫の一例

山梨県立中央病院検査部病理科 石井恵理

 

第18回日本臨床細胞学会関東連合会学術集会日程表

第一会場(小ホール)

第二会場(集会室1~4)

第三会場

(分館1F)

 

9:00~9:50

代表役員会

9:55 開会の挨拶 会長 西田 正人

10:00 

特別講演Ⅰ 偽陽性例をどうとらえるか

座長:深澤政勝

演者:都竹正文(癌研究会附属病院)   

10:00 一般演題展示開始

11:00 

特別講演Ⅱ 最近の医療訴訟の問題点

座長:野口雅之

演者:加藤済仁(加藤会計法律事務所)

12:00~12:50

合同役員会

12:10~12:50 ランチョンセミナーScanScopeのご紹介

座長:野口雅之

演者:山田達喜(株式会社オリンパスエンジニアリング)

13:00~15:00 メーカーセミナー

座長:福島茂

1.今なぜThinLayer標本か ―婦人科細胞診検査の精度向上に向けて― 
演者:内藤雅嗣((株)医学生物学研究所)

2.パパニコロウ染色の精度管理/染色液や染色操作の染色に与える影響 
演者:渡辺明朗(メルク株式会社) 

3.ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染とP16INK4aの関連について
演者:神原由紀(ダコ・サイトインフォメーション)

13:00~13:40 一般演題1~5(婦人科)

座長 安田允

13:40~14:25 一般演題6~11(乳腺)

座長 伊藤仁

14:25~15:00 一般演題12~16
(呼吸器・泌尿器・耳下腺)

座長 堀内文男

15:00~15:05

・感謝状贈呈(前会長)
・次期会長あいさつ

16:00  一般演題展示撤去

15:05~17:30シンポジウム
―各科領域における偽陽性例の傾向について―

座長 西田正人,齋藤誠,土屋眞一

1.子宮頚部 加瀬香(茨城県総合健診協会)

2.子宮体部 今井愛(北里大学)

3.呼吸器  大平達夫(東京医科大学)

4.乳腺   梅村しのぶ(東海大学)

5.体腔液  深町勲(公立藤岡総合病院)

17:30 閉会の挨拶

実行委員長 石岡国春

平成16年度関東連合会活動報告

・庶務会計関連                  ・各県支部活動報告

 支部長事務局一覧
 支部別会員数
 平成15年度会計報告
 平成15年度決算報告
 平成17年度予算書
 平成16年度代表役員会議事録
    〃   合同役員会議事録
 日本臨床細胞学会関東連合会会則

 

第20回日本臨床細胞学会茨城県支部学術集会・総会プログラム

         日時  平成17年3月19日(土) 14:00~17:00
         場所  つくば国際会議場(エポカルつくば) 大会議室102 
              つくば市竹園2-20-3 
              TEL 029-861-0001
         特別講演Ⅰ 14:00~15:00               座長 斎藤 誠 先生 
         「検体採取法による細胞変化 気管支擦過細胞診vs気管支洗浄細胞診」
            三浦 弘之 先生      東京医科大学八王子医療センター胸部外科  
         平成16年度定期総会 15:00~15:50
         特別講演Ⅱ 16:00~17:00              座長 西田 正人 先生
         「子宮内膜細胞診の新しい展開」
           蔵本 博行 先生                  北里大学病院産婦人科 
                                     

                                        CT クレジット JSC 10点 
                                                 IAC 3点

 

 

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